『あつまれ どうぶつの森』では、過去シリーズと同様に雑草の概念が存在する。ゲーム開始時には島のそこら中に生えているほか、時間経過と共にその数を増やす。
ただし、今までのシリーズではお邪魔要素の強かった雑草は、今作ではいくらか有益な存在である。
たとえば、抜いた雑草はお店で売ることができるし、レシピを入手すれば特定の家具の作成にも使用可能。見た目もリッチになり種類が増え、季節によって見た目が変化するようになったことで価値が高まった。
とはいえ、やはり雑草は雑草。島の見た目を邪魔する存在であることには違いない。そんな雑草を駆除する業者が登場した。
tybat11を名乗るユーザーは、WeedCoを名乗る業者としてRedditなどコミュニティ内で宣伝をしている。目的は、雑草抜きの仕事の請負だ。
部下1人と共に、依頼人の島へと飛び雑草を抜く。無料のサービスだが、チップは受け付けているという。
WeedCoは、活動のためのGoogleドキュメントページを開設しており、稼働可能なスケジュールを掲載するなど、業者らしく活動している。一種のビジネスと呼んでも差し支えないだろう。
もともとRedditにて精力的に宣伝していたtybat11氏は、雑草抜きの活動を進めていたが、このたび活動加入者を面接する動画を投稿。
コミカルながらビジネス理念がわかる映像であるとして、ここ数日コミュニティ内のユーザーから関心が寄せられていた。
面接動画では、同氏がWeedCo加入希望者を指導している。
近くに花があっても正確に雑草だけを抜くこと。雑草をひとつも見逃さないために、右スティックを駆使し、壁や崖の裏まで細かくチェックすることなど。
雑草抜きのプロになるためにいろはを教え、口頭での質問を経て、合格採用の告知が下された。加わったスタッフには、作業着が与えられている。なんとも微笑ましい映像だ。
Polygonによると、tybat11氏が雑草抜き業者になろうとしたきっかけは、雑草抜きをしてほしいという声の大きさが理由だったのだという。
一方で、同氏自身が「雑草を抜くこと」を好んでいることも関係しているそうだ。
というのも、tybat11氏は不安症を抱えており、反復作業をすることで落ち着くのだという。それゆえに、他ユーザーの雑草を抜くことが楽しいそうだ。
同氏が抜いた雑草は依頼主に返すこともあるが、報酬として手元に置いておくケースもあるという。報酬を得られれば嬉しいが、雑草を抜くことそのものが報酬なのだろう。
同氏は雑草を抜きたい。依頼主は雑草を抜いてほしい。やや不思議ではあるが、両者の目的は合致しているわけだ。
これまでの『どうぶつの森』シリーズでも雑草はプレイヤーの天敵であったので、それを抜く活動をしていたユーザーもいるのだろう。
SNSなどが発達し、そうしたユーザーの活動が宣伝しやすくなり、またそうした活動が他者から見つかりやすくなっている。
昨今の世界情勢も関係してか、家にいながらも生活を楽しみ、安息を得られる『あつまれ どうぶつの森』の人気は高まるばかり。
その影響で、同作のゲーム内アイテムのトレードがかなり盛んになっている。
一方で、現実世界のお金とゲーム内アイテムを交換するような、トラブルに発展しかねない取引も散見される。
今回の雑草抜き活動のような、お互いが幸せになり、トラブルリスクも少ないゲーム内ビジネスは、プレイヤーたちを豊かにしていくことだろう。
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