寄せられた「賛成」2269件のうち1700件以上の発信元を示す識別情報が、4種類だけだったことがわかった。
専門家は「これだけの数の投稿で4種類に限られるのは不自然」と指摘している。
条例は議員提案で3月に成立し、今月1日に施行された。
パブコメは1月下旬から15日間実施され、朝日新聞が情報公開請求で得た文書を分析した。
県議会はパブコメに際して、意見の送信先としてメールアドレスを指定し、問い合わせフォーム形式の県議会ホームページの「ご意見箱」は案内していなかった。
だが、賛成意見の約1900件が、「ご意見箱」から送られていた。「反対」の401件はほぼ全て指定アドレス宛てだった。
県議会事務局によると、ご意見箱では送信者のアドレスはわからない。
ただ、「ユーザーエージェント(UA)」と呼ばれる情報が記される。
サイバーセキュリティーに詳しい神戸大大学院の森井昌克教授によると、UAは、送信者が使ったOS(基本ソフト)やブラウザー(閲覧ソフト)がわかる情報で、開示された文書にも残っていた。
ご意見箱の約1900件のUAを朝日新聞が集計した結果、1700件以上が4種類に集中。
1種類あたり約100〜850件で、あるUAでは、2月1日午後3時47分から約10時間で約440件が投稿されていた。
森井教授によると、UAは、OSやブラウザーのバージョンや組み合わせや、パソコンかスマホかによって異なる。
別の端末でもUAが同一になる可能性はあるが、森井教授は「1700件以上の投稿で、UAが4種類だけなのは明らかに不自然」と指摘する。
賛成意見には、「ゲーム依存により、判断の乏しい大人を生み出さない為(ため)」といった同じ表現が同じUAで送られたものも多数あった。
森井教授は「同じパソコンで投稿された可能性が非常に高い」と話す。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200414-00000069-asahi-soci