ダンジョンをなくすことは,自分としても最後まで悩みました。しかし,3Dダンジョンはレベルデザインが大変で,それ専用のプランナーやデザイナー,それをまとめる管理業務が必要になります。だったら別の部分にコストをかけようと決めたんです。
生田泰浩氏(以下,生田氏):
ダンジョンがないぶん,いろんなロケーションを増やすなど柔軟な対応が可能になったので,ゲーム全体の幅を広げやすくなって,それがトータルのクオリティをアップできるいい方向につながりましたね。
河津氏:
ダンジョンがなくても,フィールドに固定のバトルを配置して,移動とバトルを繰り返して,手に入ったものでキャラクターを強化をするというサイクルと,それに合わせたストーリーがあれば,
十分にRPGとして成立するんです。ボリュームも,ダンジョンがあるRPGよりずっと大きなものになって,面白さも詰められました。
ただ,実際に遊んでもらうまでは,それらを伝えるのが難しかったですね(笑)。
(中略)
サガの場合,開発の戦力的にも限りがありますから,プレイヤーのすべての思いをカバーするために,
ゲーム全体を広げていく「ファイナルファンタジー」的な手法で作るのが難しいので,ゲーム的な面白さをズラしていく方向に特化しているんです。
まあ,やりすぎると,本当に外れちゃうんですが。
(中略)
発売前は不安の声もありましたが,発売後には「心配しなくてよかった」という意見が多かったです。
もちろん想像したものとは違うという方もいましたが,そこは毎回変えていく中で言われることなので,割り切って受け止めています。
ダンジョンがないことなどは,新しいプレイ体験として意外にすんなり受け入れてもらえて,ゲームを設計した側としては満足できました。
https://www.4gamer.net/games/412/G041251/20180727023/