ところで、Nintendo Switchは最近やたらとDLタイトルが出まくっていることをご存知だろうか。
ニンテンドーeショップでは毎週のようにたくさんのタイトルが配信されており、中には出来栄えが怪しいものもいくつかある。
たとえばスマホの基本無料システムをそのまま持ってきてしまったパズルゲーム『BOOST BEAST』も問題作だと一部で騒がれているのだ。
なぜこんなことになっているのか。それは文頭にあるように、Nintendo Switchがかなりの人気を誇っており、
そこでDLタイトルを販売するとよそのプラットフォーム以上に売れる可能性があるからだ。
だからこそ今がチャンスと、いい加減すぎる移植作品もNintendo Switchに集結しつつある。
ただ単にダメなゲームが出るのは仕方がない。ゲーム開発会社にだって都合があるだろうし、たまたまウケなかっただけかもしれないだろう。
しかしながら、“そういうものが集う”という事態は本当に困ったものなのだ。
かつてXbox 360では、誰でもゲームを配信できるXbox Live Indie Games(XBLIG)という市場があった。
開発者同士のピアレビューさえ通ることができれば、お父さんが赤ちゃんのために作ったゲームも、
ユニコーンがちゅっちゅぺろぺろして戦う格闘ゲームも、制作者の性癖すべてが注ぎ込まれているアクションゲームも、
国産なのに日本語が怪しくてそもそもルールが理解できないパズルゲームだってゲーム機向けに配信できたのである。
「誰もが好きなゲームを作ることができる」というのは素晴らしいものだ。
しかし、XBLIGで最初に流行ったソフトは“コントローラーの振動をマッサージ機として使うソフト”である。
これは最初の1本こそ話題になってよかったのだが、むやみに真似をする開発者が続出、
そのうち市場には需要を無視してマッサージソフトがあふれるようになってしまった。
このような流行りの後追いはその後も何度か起こった。Xbox 360のアバターを使ったしょうもないミニゲーム、
アバターを使ったシューター、『マインクラフト』のクローンなど。
もちろん中には元の作品を進歩させてより良くしたものもあるのだが、残念なことに出来が悪い、
あるいは悪質なタイトルも多く、悪評のほうが圧倒的に上回った。
そして当然ながら、XBLIGからはどんどん人が離れていってしまったのだ。
おそらくこの話、Nintendo SwitchのDLタイトル市場にも同じことが言えるだろう。
人気が高まってくると柳の下のドジョウを絶滅させるほど獲りつくそうと、怪しいタイトルもやってくるのである。
当然ながら低品質なゲームは市場にのせないという方針もあるだろうが、現状を見る限り任天堂はおおらかにタイトルを受け入れているようである。
それに『真・電愛「なにが欲しいの?」 〜北見えり〜』も喜ぶ人が一切いないということはないだろう。
ただ、今後このシリーズが大量に出てきてしまったら? あるいは別種のスマホ向けタイトルがたくさん移植されたら?
もはやNintendo SwitchでDLタイトルを楽しむことをやめるという人が出てもおかしくはない。
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